遺伝子
日経バイオテクオンライン Vol.3168によると、2019年5月24日に米食品医薬品局(FDA)はスイスのノバルティス社の遺伝子治療薬Zolgensmaを承認しました。 その薬価は、な、な、な、なんと212万5000米ドル(1米ドル=110円で2億3375万円)!! いやぁ、ブラッ…
昨日(2019年5月22日)保険適用された最強のがん治療法「CAR-T細胞療法」! 薬価は、な、な、なんと3,349万円! 後編では、その仕組みについてお話します。 www.nikkei.com 目次: 1.前編のおさらい 2.上手い手があった! 3.見つかったがん細胞の目印 …
目次: 1.がん細胞だけを狙い打つ「ミサイル療法」とは? 2.免疫系ががん細胞を見つけ出して攻撃する仕組み 3.がん細胞が免疫監視機構から逃れる仕組み その強力な治療効果のゆえに、今、非常に話題の新規がん治療法が明日(2019年5月22日)、保険適用…
昨日(2019年5月13日)のNHKニュースです。 www3.nhk.or.jp 北海道の礼文島で発掘された、約3800年前の女性の縄文人のほぼほぼ完全な状態の骨格。なかでも臼歯のDNAの保存状態が極めて良好で、そこから全遺伝子情報、すなわち30億個ものDNAの塩基配列の解読…
目次: 1.「スクリーニング検査」の具体例 2.どうして、病気の人を正しく「病気」と判定し、異常のない人を正しく「異常なし」と判定できないの? 3.「感度」と「特異度」 4.便潜血検査に代わる大腸がんのスクリーニング検査は現れるのか? 5.「リ…
目次: 1.「遺伝子ドライブ(Gene Drive)」とは? 2.「メンデルの遺伝の法則」を復習しよう 3.神の技術が「遺伝子ドライブ」を可能にした! 4.「遺伝子ドライブ」で何が出来る? 5.SFホラーか!? 「遺伝子ドライブ」の原理 6.実用化が近い「遺…
目次: 1.そんなに凄いの?「ゲノム編集」 2.何が出来るの?「ゲノム編集」 3.以前は出来なかったの? 生物の「遺伝子改変」 4.「ゲノム編集」の応用例 農水産物の品種改良 HIV感染症、筋ジストロフィーなど難病の治療 5.改めて「編集」という言葉…
目次: 1.衝撃の事実! 少女の卵巣から人体の一部が!! 2.ピノコは実在するのか!? 3.受精しなくても体はできる!! 4.テラトーマからピノコは生まれない! 5.医学の進歩が子供の夢を壊したのかな? 今年初めての記事アップです。 本年もよろし…
目次: 1.今はやりの遺伝子検査 2.実例 ―遺伝子型と体質との明確な関係― 3.「後ろ向き試験」と「前向き試験」 4.結論 ―前向き試験で実証されたものは、まだ少ない― ウォ~~~ッ! なな、なんと、今年も今日と明日で終わりではないか!! 早い! 早…
目次: 1.ウイルスの「不連続変異」とは? 2.不連続変異による新型ウイルスの出現 コラム:ポケモンは「進化」しない 3.新型インフルエンザウイルス出現のシナリオ 4.新型インフルエンザのパンデミックの予測は難しい! 本ブログも長い夏休みを頂い…
真夏にインフルエンザの話とは、「真冬の稲川淳二」より季節外れですが、冬まで待っていたら、それまで、このブログが続いているのやどうやら分かりません。。。(苦笑) でも、わずか4ヶ月もすれば、もうインフルエンザの季節到来ですからね〜。 目次: 1…
目次: 1.免疫系は体の「防衛隊」 2.敵を感知する自然免疫のセンサーは大雑把 3.パターン認識受容体とβグルカンの潜在能力 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆彡 1.免疫系は体の「防衛隊」 抗体やT細胞による獲得免疫というのは、強力ではありますが、起動す…
目次: 1.ボクはただの大喰らいじゃない!!(by マクロファージ) 2.毒素を打っても死なないマウス?? 3.カビまみれになって死ぬハエ! 4.ノーベル賞を逃した男から、研究者が選んだ「研究者の中の研究者」へ ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆彡 1.ボク…
日本免疫学会が、毎年夏にこんなイベントやってます。 学会主催と言っても、ちっとも堅っ苦しくなく、細胞からDNAを取り出す実験体験とか、実際にiPS細胞から作られた心筋細胞がシャーレの中で拍動する様子を観察したり、パネル展示や紙芝居で免疫についてや…
前回【059】の続きです。 目次: 1.iPS細胞の再生医療導入第1例目 2.自家移植療法の限界 3.iPS細胞による他家移植療法?? 4.未来に向けてのさらなる可能性の探求 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆彡 1.iPS細胞の再生医療導入第1例目 iPS細胞の再生医療に…
皆さんよくご存じの、iPS細胞の開発で2012年のノーベル生理学・医学賞を受賞された京都大学教授・iPS細胞研究所所長の山中伸弥先生。 本年の2月に、一般市民向けの再生医療公開シンポジウムに参加し、iPS細胞を用いた再生医療の実現に向けた現状について、山…
目次: 1.世界初の抗HIV薬の開発者は日本人! 2.どうやってウイルスの増殖を防ぐのか? 3.付きまとう副作用と薬剤耐性の問題 4.HAART(ハート)療法の登場 5.ちゃんと飲まないんだったら、飲まない方がまし ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆彡 1.世界初…
目次: 1.前回の復習:ヘルパーT細胞へのHIVの侵入から、ウイルスRNAの逆転写、ウイルスDNAのゲノムへの組み込みまで 2.「獅子身中の虫」プロウイルス! 3.AIDSの発症に至るまで 次回予告:最新AIDS治療法「HAART(ハート)療法」 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★…
目次: 1.「20世紀の黒死病」AIDSの発見とHIV発見秘話 2.AIDSは性感染症 3.HIVの感染メカニズム 4.ここでちょっとひと休み ~CCR5の変異体を持つ人はHIVに感染すらしない?~ ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆彡 1.「20世紀の黒死病」AIDSの発見とHIV発見…
目次: ① 号外【免疫学史上最大の謎??に挑む】の補足です ② Tregの「マスター遺伝子」Foxp3 ③ 生まれつき制御性T細胞を作れない病気 ④ Treg研究の今後の展望 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆彡 ① 号外【免疫学史上最大の謎??に挑む】の補足です 2017年6月9日の…
目次: ① 老化が急速に進行する「プロジェリア症候群」 ② 日本人に多い民族病? 「ウェルナー症候群」 ③ ウェルナー症候群と診断されたら ④ 科学は老化の制御を実現出来るのか? ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆彡 ① 老化が急速に進行する「プロジェリア症候群」 …
目次: ① なぜわが子はかわいいのか? ② 昨日までの「愛情」は何処へ行った? ある日突然豹変するお母さん熊 ③ リチャード・ドーキンスの登場。「利己的遺伝子」とは? ④ 再度「愛情」と「浮気」について ~「利己的遺伝子」理論から考えよう~ ⑤ 我われ人間…
今回は、健康の話でも病気の話でも御座いませんので、悪しからずご了承のほどを。 でも、免疫学に関心のある方の中には、同じ疑問を持たれている方もいらっしゃるかもしれません。 そんな疑問について、勝手に迫ります(笑) 目次: ① サプレッサーT細胞は何処…
1996年初版発行のこの本、当時、ウイルスの研究をしていた私が、発がんメカニズムを分子生物学的に理解することに対して興味を抱くキッカケになった本です。 がん遺伝子の発見|新書|中央公論新社 がん遺伝子やがん抑制遺伝子、DNA修復遺伝子の発見の過程に…
【041】、【042】と2回にわたってお送りした「がん遺伝子発見物語」は、大変ご好評を頂き、私も驚いています。 お読み頂いた皆様、本当にありがとう御座います。 これに気を良くして、「がん遺伝子発見物語」の「番外編」をお送りします。 今回もよろしくお…
目次: ① ラウスの本当の偉大さ ② 「セントラル・ドグマ」ってなんですか? ③ 「逆があった!」 ④ がん原遺伝子の発見! ⑤ 偉大な科学の進歩には「源流」がある 前回【041】は、お陰様で好評です。 この続編で皆様のご期待に応えられるのか、すっごく不安な…
細胞増殖の制御に重要な働きをする「がん原遺伝子」。 私たちが生きる上で無くてはならない重要な遺伝子です。 でも、これは変異を起こすことでガンを引き起こす「がん遺伝子」に豹変します。 がん原遺伝子は、私たちの細胞にとって、いわば、両刃の剣と言え…
目次: ① 抗がん剤は本来「毒」! ② 「がん細胞特異的」な治療薬ってあるの? ③ 分子標的薬の具体例 ④ 分子標的薬の最大の問題点 ⑤ 抗体医薬の未来と国民医療費 ※ 筆者注:一般的に分子標的薬は、がん治療において、がん細胞の分子を標的にしたものを指すこ…
胸腺学校の過酷な卒業試験と落第者の運命! ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆彡 前回【037】の続きです。 卒業候補生の前駆T細胞たちが、ストローマ細胞上のMHCと、その上に提示された自己抗原に対してどのような反応を示すか? これが、胸腺学校の卒業試験です。 …
目次: ① T細胞の養成学校「胸腺」 ② ご入学おめでとうございます ③ 自分であることの目印「MHC」 ④ 胸腺学校でのスパルタ教育 「俺はガンについて語らせたら何時間でもしゃべれる! 10回はやって見せるぜっ!!」と豪語しておいてなんでは御座いますが、ま…