Dr.やまけんの【いつまでも健康に過ごすために大切なこと】

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026【ズバリ!βグルカンの抗腫瘍効果!!(その1)】

本ブログも26回目になりました。

当初、1週間にひとつずつ1年間記事を書き続けて、52回は書きたいと思っていましたが、1ヶ月半で折り返し点にきました。

お陰様でユーザーさんも増えてきており、読んで下さる方がいらっしゃる限り、続けていこうと思います。

 

目次:

  1. シイタケ由来βグルカンの抗腫瘍効果

  2. βグルカンによる抗がん剤の副作用低減効果(その1)

  3. βグルカンによる抗がん剤の副作用低減効果(その2)

 

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以前は、健康食品なんぞに関心のなかった私。

 

免疫賦活活性だとか抗酸化作用だとかはあるとしても、現在の医療で治らないガンが治るなんて、「どこにも根拠を示していないじゃないか!」という訳です。

「本当に劇的に効くのなら、当然、医薬品として承認されるはず」という考えを持ったのも無理からぬこと。

 

しかし、健康食品の中には、本当に効くにもかかわらず、法律「薬機法(旧・薬事法)」による規制のために、企業は自社製品の宣伝広告の中で効果・効能を謳えず(つまり根拠を示したくっても示せない)、各企業とも拡販に苦慮しているという事情を、私は知りませんでした。

 

確かに、根拠のないまがい物もあります。

しかし、根拠を調べてみれば、確かに本物もあります。

 

では、本物とまがい物とを見分ける根拠とは何か?

研究者たちが客観的な視点から研究した結果を報告した学術論文です。

その学術論文が最も多い健康食品のひとつが「βグルカン」です。

 

今回は、βグルカンについての論文を、ごく一部ですが易しく説明して、そのポテンシャルをご紹介しましょう。

 

これまで、βグルカンの効果については、抗腫瘍効果、抗感染症効果、血糖値抑制効果、中性脂肪抑制効果、コレステロール抑制効果、高血圧抑制効果、動脈硬化抑制効果、抗糖尿病効果等々、広範囲な疾患に対して動物及びヒトでのデータが、世界中の医師・研究者たちから報告されており、論文の数は数千にのぼります。

この論文数は、健康食品の成分としては、類を見ないものです。

 

これらの研究成果が明らかにしたことは、上記のような多くの疾患に対する抑制作用は、βグルカンの強力な免疫調整作用によるものだとの理解です。

 

様々な疾患に対しての効果が示されているβグルカンですが、今回は、最も研究データが多い、抗腫瘍効果についての論文をいくつかご紹介します。

 

1.シイタケ由来のβグルカンの抗腫瘍効果

 

何らかの物質の病気改善効果というのは、結局のところヒトで示されなければ説得力がありません。

でも、ヒトでできる試験には様々な問題があり、限定されます。

ですので、まずは培養細胞での実験、次に動物実験がよく行われます。

 

細胞よりは動物、動物よりはヒト、の方が説得力が高いのですね。

で、まずは細胞の実験結果から。

 

がんから体を守る仕組みは、何重にも張り巡らされています。

最後の砦は「免疫」、その前に細胞の自殺「アポトーシス」という仕組みがあります。

 

前にお話ししましたが、遺伝子に異常のある細胞は、自分でそのことが分かっていて、このまま自分が生き残ってはまずいので、自分で「自殺スイッチ」をONにします。

その結果起こる細胞の死がアポトーシスです。

 

さて、βグルカンが免疫力をパワーアップして抗がん作用を示すことは良く知られています。

でも、下の2016年の論文では、シイタケ由来のβグルカンが、免疫を増強するだけでなく、がん細胞のアポトーシスも起こりやすくするというダブル効果を持っていることが報告されました。

さらに、がん細胞に栄養供給を行うのに必須な、血管の新生も抑えて、がん抑制に働くのです。

 

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最初にこのように培養細胞の実験で観察された現象が、動物やヒトの体内でも起きているのかが証明されることによって、βグルカンの本物である証しが強化されるのです。

 

では、動物のデータを見ていきましょう。

 

2.βグルカンによる抗癌剤の副作用低減効果(その1)

 

シスプラチンは様々な種類のがんに広く使用され、高い腫瘍縮小効果を持つ抗がん剤です。

一方で強い副作用、たとえば腎機能障害や骨髄抑制、吐き気・嘔吐、食欲不振などが現れ、そのためにシスプラチンの投与を断念せざるを得ないケースも多々あります。

 

下の2016年の論文は、パン酵母由来βグルカンを摂取することによって、シスプラチンの重篤な副作用を効率的に軽減するというラットを使った実験の結果です。

 

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健康なラットを4つのグループに分けます。

各グループのラットは9匹ずつ。

  • グループ1:何も投与しない
  • グループ2:シスプラチンを投与
  • グループ3:βグルカンを摂取
  • グループ4:シスプラチン投与とβグルカン摂取

 

健康なラットにシスプラチンを投与した場合、脳神経へのダメージが副作用として観察されます。

ですので、グループ2のラットに神経の損傷が認められました。

ところが、グループ4のラットでは、βグルカンを摂取していたことにより、神経細胞の損傷が著しく軽減したのです。

 

抗がん剤治療の副作用に耐えられず、治療を断念せざるを得ない人は多くいます。

その副作用の辛さを、βグルカンが軽減することによって抗がん剤治療を続けられようになるという動物での結果です。

 

3.βグルカンによる抗癌剤の副作用低減効果(その2)

 

もうひとつ、動物実験の例。

少し古いですが、2008年の、がん細胞を移植したマウスを使った実験です。

 

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グラフの縦軸は、がん細胞移植後21日までの腫瘍の体積の推移

 

マウスにがん細胞を移植して、21日間、特に何もしないと腫瘍の体積はどんどん大きくなります(対照群)。

しかし、9匹中、1匹も死んではいません。

 

フルオロウラシル(5-FU)という、よく使われる抗がん剤の投与を続けると、腫瘍はほとんど大きくなりません(A群)。

ところが、この21日の間に、9匹中4匹が死んでしまったのです。

つまり、5-FUでがん細胞の増殖は抑えているのに、4匹のマウスが薬の副作用で死んでしまったということです。

これでは、何のための薬やら。。。本末転倒ですね。

 

ところが、5-FUを投与していても、同時に黒酵母βグルカンを飲んでいると、1匹も死なずに済みます(C群)。

副作用が軽減されたのです。

腫瘍も完全に抑えるという訳には行きませんが、それでも、何もしないマウスよりは腫瘍が小さくなっています。

 

酵母βグルカンだけを与えたマウス(B群)でも、何もしていないマウスよりは腫瘍を抑えていることが分かるでしょう。

これがβグルカン単独での抗腫瘍効果ということになります。

 

まとめます。

  • βグルカンは単独でもある程度の抗腫瘍効果がある。
  • 抗がん剤と併用することで、抗がん剤の副作用による死亡を防ぎ、腫瘍の増大もある程度抑えることができる。

ということです。

 

ここまでは、いずれも動物実験の結果でした。

 

次回は、いよいよヒトの例を見ていきましょう。

 

 

今回も最後までお読み頂き、ありがとう御座います。

 

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