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βグルカンってなに?
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βグルカンはどうやって免疫系を賦活化(ふかつか)する?
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具体的な効果は?
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1.βグルカンってなに?
βグルカンについて語れば、たくさん記事が書けてしまいますので、今回は概要だけお話します。
βグルカンとは、真菌類(カビとかキノコとか)の細胞壁に含まれる多糖類です。
多糖類というのは、その名の通り糖がたくさん鎖状につながったものですね。
糖にはブドウ糖とか果糖とか、ひとつの糖からなるのが単糖、ブドウ糖と果糖とが結合したショ糖(砂糖です)なんかは、二つの糖でできているので二糖です。
糖が何百、何千とつながったのが多糖ですね。
因みに、糖が数個から十数個くらいつながったのがオリゴ糖で、これも体にいいですね。
で、βグルカンと言うのは、ブドウ糖がたくさんつながった多糖です。
理科の教科書を思い出せる方は、「ブドウ糖がつながったのはデンプンじゃねぇの?」て言われる方がいるかもしれませんが、その通りですね。
ブドウ糖とブドウ糖の結合の仕方には2通りあって、α型とβ型と言われます。
デンプンはα型、βグルカンはβ型です。
βグルカンの構造(これは枝分かれしていますが、枝のないものもあります)
ほんの少しの構造の違いですが、デンプンとβグルカンの栄養素としての働きは全然違いますね。
デンプンは分解されてエネルギー源になります。
βグルカンは消化吸収されず、そのまま排泄されますが、食物繊維として腸内環境を整えるいい働きがあるのに加えて、強力な免疫賦活(めんえきふかつ)作用があることです。
一時期、アガリクスが流行りましたが、要するに、βグルカンを豊富に含む素材として注目されたのでした。
2.βグルカンはどうやって免疫系を賦活化(ふかつか)する?
βグルカンを食べると、消化吸収されずに腸に達します。
小腸にはたくさんの免疫細胞が集まっています。
特にマクロファージとか樹状細胞とかの免疫細胞の表面には、βグルカンと結合するタンパク質(「受容体」と言います)があって、小腸内でβグルカンがこのタンパク質と結合します。
この受容体と言うのは、腸から侵入してくる異物に対して警戒するレーダーのような役割を持っています。
βグルカンと言うのは菌の細胞壁の成分です。
受容体にβグルカンが結合したということで、免疫細胞は「菌が侵入したんじゃないか?」と勘違いするわけです。
で、免疫細胞はさまざまなタンパク質を放出して、他の免疫細胞を活性化し、免疫系が警戒体制に入るわけです。
これで、いつ敵が本格的に攻めてきても対応できる状態です。
小腸でβグルカンがマクロファージの受容体に結合し、マクロファージが別の免疫細胞を活性化するの図
βグルカンを毎日飲んでいると、この警戒態勢がずっと維持されます。
でも、特に害はありません。
便通がよくなるくらいですね(笑)
3.具体的な効果は?
抗がん作用や糖尿病の改善効果に関する論文は枚挙にいとまがありません。
がんに関しては、βグルカン単独ではなく、抗癌剤との併用が有効です。
βグルカンの免疫賦活能による抗がん作用に加えて、抗癌剤の副作用を低減する作用が多く報告されています。
抗がん剤は免疫力を著しく下げます。
高い免疫力を保つことが好ましいがん患者に対して、免疫を下げるような薬を投与しなければならないのは大きなジレンマですが、βグルカンによって薬による免疫力の低下を抑えられます。
また、抗がん剤の問題点は、正常な細胞までも殺すことです。
胃腸や毛根など、分裂が活発な細胞が大きなダメージを受けますので、下痢や嘔吐、脱毛などの副作用が出て、副作用の辛さに耐えかねて抗がん剤治療を断念するケースも多くあります。
この副作用を軽減する効果がマウスなどの動物実験で多く実証されていますし、多くの患者さんの実体験も寄せられています。
私たちも、本ブログ014でご紹介した肝臓転移がんと糖尿病の症例、それと、足の骨が露出するほど重度で、筋移植が必要と診断された低温火傷が、手術をせずに、βグルカンを塗っただけで治癒した症例(塗っても効きます!)を、現在、論文投稿中です。
「えぇ~?ホンマかいな?」と思われるでしょうね。
当然だと思います。
順調にいけば、どちらの論文も来月出版になります。
発表前なので詳しく書けませんが、発表後に患者さん本人の承諾が得られれば、百聞は一見に如かず、是非、写真付きでご紹介したいです。
低温火傷の写真は、かなりショッキングですけど、見れば一目瞭然です。
今回も最後までお読み頂き、ありがとう御座います。
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