Dr.やまけんの【いつまでも健康に過ごすために大切なこと】

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031【ついに国と糖尿病学会が認めた!「糖尿病治療薬は役に立たない!!」】糖尿病(その2)

本当の原因にフォーカスしていない薬では、症状は改善しているように見えても、根本的な治療にはなりません。

 

やっと、そのような視点での薬の有効性の見直しが、国の主導で(ここが大事)始まりました。

 

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ちょっと古いですが、2017年3月2日の日本経済新聞に、「生活習慣指導に規格 糖尿病学会・政府」という見出しの記事が載りました。

www.nikkei.com

 

軽度の糖尿病患者181人を2つのグループに分け、

糖尿病治療薬は服用するけど、生活習慣は改善しないグループ vs 糖尿病治療薬は服用しないけど、生活習慣を改善するグループ

で、半年後にどちらに軍配が上がるか、という試みが行われました。

結果は、薬を飲まなくても、生活習慣の改善を行った方が、ヘモグロビンA1cの改善が高かったのです。

 

今後、経済産業省日本糖尿病学会は、調査対象者を2000人規模に拡大し、データ収集と分析を強化。

さらに来年度からは、生活習慣病の予防指導の「規格」作りに着手し、「データに基づいた」生活習慣病の改善を普及させることで医療費の削減につなげるとのこと。

 

ついつい見逃してしまいそうな、どうってことの無い記事に見えますが、結構、明るいニュースではないかと思うのです。

 

この調査によると、軽度の糖尿病患者に限ってのことですが、糖尿病治療薬は有効ではないことを、なんと糖尿病学会と国が認めたのです。

 

「なんで厚労省じゃなくって、経産省なの?」と思いましたが、確かに厚労省ではこれはやりづらいですね。

 

治療薬について「効果あり」として承認するのは厚労省です。

自分で承認した薬について、後から「やっぱ効果なし」とは、これは言えないでしょうね。

 

経産省には是非、今後もこのような取り組みを進めて頂きたいです。

また、「糖尿病予防には、データに基づいた生活習慣の改善指導が効果がある」という結論も素晴らしいです。

エビデンスベースで医薬品の承認をしているはずの厚労省ではなく、経産省科学的根拠に基づいた客観性を重視する姿勢を打ち出しているところが素晴らしい。

 

しかし、厚労省も頑張ってます。

同じような動きは、抗がん剤についても始まっており、厚生労働省国立がん研究センターは、高齢のがん患者における抗がん剤治療の有効性について改めて調査しています。

体への負担の大きい抗がん剤が、果たして高齢者に有効かどうか?

実はまだ、こんなことすらハッキリ分かっていなくって、そんでもって長年、高齢者に抗がん剤を使ってきたなんて、オドロキません?

 

まだ、調査対象が少なく、結論には至っていませんが、高齢者には抗がん剤治療に延命効果がない」可能性もあるそうです。

今後の調査結果によって、高齢のがん患者治療の在り方を検討し、新たにガイドラインを作成するそうです。

mainichi.jp

 

多くの人から「正しい」と支持されてきたものに対して、最初に「オカシイんじゃない?」と発言するのは勇気がいります。

また、「オカシイ」と言われた方も、それを認めるには勇気がいります。

だから、国が既成事実を変えるのは難しい、と思っていました。

 

国の主導によるこのような取り組みによって、病気を治療する上で本当に大事なことは何なのかということを、広く国民に知らしめることは、国の医療経済の立て直しに対してのみならず、国民の健康寿命の延長に貢献することです。

 

そして、糖尿病をはじめ、多くの生活習慣病が、薬に頼るよりも、自身の意志で治すことができるのだという考え方が広まって欲しいものです。

 

何気ない記事のようでしたが、私には久しぶりにいいニュースでした。

 

今回のお話、糖尿病の話というより、薬と行政についての話になってしまいました。

次回、糖尿病(その3)では、糖尿病が如何に恐ろしく過酷な病気かについてお話します。

 

 

今回も最後までお読み頂き、ありがとう御座います。

 

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