私、今、メッチャ頭にきてます。
「世界一避けたい授業」(笑)
こういうことをテレビで喧伝する人達って、良心とかってないのですかね?
テレビ局も、公共放送機関として、もっとしっかりせんといかんと思うのです。
皆さん、「世界一受けたい授業 & LPS」でググってみて下さい。
いっぱい出てきますよね。
がん、アルツハイマー、インフルエンザ、高血圧、糖尿病、エトセトラ・エトセトラにLPSが効く。
世界一受けたい授業「免疫力アップ」LPSとは | キュレーションTV
このサイトは削除すべきだよ、日テレさん
テレビで取り上げられたことから、多くの一般の人が飛びつき、ネット上でフォローする人が続出したようです。
一方で、専門家や有識者の間では、「科学的根拠が示されていない」との指摘もたくさん上がっています。
実のところ、このLPSってどうなのか?(実際「毒」だと私は思っていますが・・・)
これは科学的根拠の有無を調べて見なくては、私の腹の虫が収まりません。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆彡
LPSと言うのは「リポ多糖」のことで、多くの菌(「グラム陰性菌」と言います)が細胞壁中に持つ成分です。
本ブログ【063】でお話したように、ノーベル賞受賞者・ボイトラーや阪大教授・審良(あきら)静男先生らがトール様受容体を発見するきっかけになった訳で、いわば現代免疫学を様変わりさせた非常に重要な物質と言えます。
しかし、ハッキリ言って、LPSは菌が作る「毒素」です。
マウスに多量に打つとショック死するのですから。。。
しかし、毒と薬は紙一重、いや表裏一体です。
LPSも少量なら健康にいい効果があるのかもしれない、と文献を探してみました。
医学と生命科学に関わる膨大な数の論文を集めた、有名な文献データベース「PubMed(パブメド)」
権威のある雑誌に掲載された論文は、まず間違いなく、このデータベースに登録されており、そのような論文こそ「科学的根拠」と言えるものです。
そして、PubMedでたくさんの論文が引っかかったなら、それはもう、科学的根拠が豊富にあるということです。
「LPS」と「免疫賦活」、「健康における効果」、「安全性」、「経口投与」、「抗腫瘍」、「抗感染症」などのキーワードの組合せで検索しましたが、「健康に良い」なんて論文は、ついに発見できませんでした。
ある論文なんかは、冒頭でいきなり、「グラム陰性菌が作るリポ多糖は、健康に対して様々な良くない作用を持っている」と切り出しており、LPSは「百害あって一利なし」と言わんばかりです。
結局、多くの論文が「LPSは炎症反応を引き起こす毒だ」と断じており、LPSが健康に良いという論文は見つかりませんでした。
すなわち、LPSの健康効果に関する「科学的根拠」は見出せなかったということです。
本ブログ【015】でお話した通り、ネット上に情報があふれる中で、どれが正しい情報で、どれが正しくないのか、見分けることが難しくなってきています。
健康問題に悩む人の藁をもすがるような思いに付け込むような広告や謳い文句も後を絶ちません。
そんな時世だからこそ、ドコソコ大学客員教授とか、ナントカ博士とかって称号を持つ者には、正しい情報を発信する義務があり、また、その発言には社会的な責任が伴ってくるものだと思う。
自分が得た正しい知識を世の中に還元して、他人の役に立つ
それが使命のはず!
でなければ、何のための学位なのか!?
また、放送局などのメディアも、もっと賢くなって頂きたいです。
ということで、怒りを鎮めて、次のブログネタを探すことにします(笑)
今回も最後までお読み頂き、ありがとう御座います。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆彡
是非、お読みになったご意見やご感想、お叱りをコメントでお寄せ下さい。
大変励みになります。