目次:
① 緊張する状況で下痢、って経験あります?
② 心療内科は怖くない(笑)
③ この俺が心の病気に? じゃぁ、誰でもなり得るってことか!?
④ この病気には絶対に立ち向かうな!
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① 不安な状況で下痢、って経験あります?
私の弟が中学生の時、定期考査試験の前になると、必ずお腹壊してました。
私はというと、大学生のころ、急行列車なんかに乗ると急にお腹が痛くなり、吊革につかまって体ねじりながら、冷や汗かいて、顔面蒼白になりながら、「駅まであと5分・・・」、「あと2分・・・頑張れ!」と自分を励ましながら、次の駅まで耐えに耐えました。
ところが、不思議なもので、駅に着くと腹痛が治まるのです。
「あっ、大丈夫や、治まった。これやったら次の駅まで行けるなぁ」なぁ~んて思って、ドアがピシャリと閉まった瞬間に、再び激しい痛みが襲ってくるのです。
そして、さらに「恐怖の15分間」との闘いが始まるのです。
死にそうな思いで耐えに耐え、やっと駅のトイレに駆け込んだとき、個室の前に列なんかできていると、もう失神しそうになりましたね。
そして、その刹那にこう思うのです。
「この苦しみから解放されるのなら、クソまみれになって死んだ方がマシ」と(笑)
いや、当の本人にとっては、笑いごとでは御座いません。
(今は腸内の状態がとてもいいので、そんな恐怖体験は皆無です)
子供であれば、人前でのピアノの発表会の前とか。。。
大人では、会社や取引先での大事なプレゼンの前。
それから、前述の私の経験のように、すぐにはトイレに行けないという状況で強い不安を感じているようなとき。
これは、緊張や不安、プレッシャーなどからくるストレスが一因となっている心因性の疾患であろうと考えられます。
この病気、「過敏性腸症候群」は、内科で内視鏡などの検査を行っても炎症や潰瘍などの身体的異常が認められないにも関わらず、下痢や便秘、腹痛、ガス過多などの症状を示す病気の総称です。
わが国の患者総数は約1,200万人とみつもられており、子供から20~40歳代の比較的若い世代に多く見られます。
大きくは「下痢型」、「便秘型」、「下痢と便秘を交互に繰り返す型」の3つに分けられます。
断然、「下痢型」が多いですね。
大腸のぜん動運動が活発になると、大腸の内容物(つまりウンコ)からの水分の吸収が不十分となり、下痢します。
逆に、ぜん動運動が鈍くなると、内容物が大腸内に留まる時間が長くなり、その間に水分が過剰に吸収されて便秘になります。
腸のぜん動運動は自律神経に支配されており、自律神経の失調が一因となっていると思われます。
前に、ある状況でお腹が痛くなった体験があると、再び同じ状況に置かれたときに、「またお腹が痛くなるのでは?」と意識すればするほど不安に襲われ、その強い不安が神経を失調させます。
そのような経験を何度も繰り返すことで、不安とストレスが強化され、恐怖心すら覚えるようになります。
このような悪循環にまで陥ると、何らかの精神的な診療が必要になります。
② 心療内科は怖くない(笑)
前述の通り、内視鏡所見に異常がなく、このような症状でお悩みの方は、心療内科や精神科を受診されてみて下さい。
この病気は実際、内科ではなく、心療内科や精神科で診断されることが多いのです。
「診療内科」や「精神科」というと抵抗を感じる方も多いかも知れませんが、今はそんなことありません。
「病気」であるのにも関わらず、昔だったら「根性がない」とか「気合が足りん」とか一蹴されていたのが、今ではれっきとした病気であるとの認識が一般にも広まってきました。
私も心療内科に通ったことがありますので分かりますが、老若男女、本当に患者さん多いですよ。
待合室でテレビ見たり、本読んだりして順番待ちしている人たちを見ていると、とても病人には見えません。
それでも、それぞれに他人には分からない苦痛に悩んでる人たちなのです。
実際、私もその一人でした。
ただ、たまにテーブルの上に突っ伏してピクリとも動かないような、「うわっ、この人凄っげぇ具合悪そ~」っていう人もいましたが。。。
③ この俺が心の病気に? じゃぁ、誰でもなり得るってことか!?
ちょっとここで、私の話をさせて下さい。
もう何年も前のことです。
仕事が順調の反対で、上司の役員とも折り合いが悪くなり、強い不安と焦燥感を感じるようになり、不眠に悩まされました。
眠れないのと、不安感を解消するために、毎晩多量に飲酒し、そのことで荒れた生活になっていました。
これがまた、症状を悪化させていたのだと思います。
「このままここにいたら、俺の人間の部分は完全に壊れてしまう」と思ったものです。
思い立って心療内科に行き、「社会不安障害」と診断されました。
病気と診断されたとき、不思議と、なんだか安心しましたね〜。
でも、なかなか良くならず、ついには重度のうつ患者と同じ最大用量の抗うつ薬(選択的セロトニン再取込阻害剤)を飲むまでに至ったのです。
それで私の取った選択。結局、その状況から逃れるしか道はありませんでした。
④ この病気には絶対に立ち向かうな!
多くの心の病気では、「頑張って」はいけません。
「根性で克服してやる!」などと思わないことです。
取り返しのつかないことになりかねません!
急行列車がダメな過敏性大腸炎の人は、1時間早く家を出て、各駅停車に乗って通勤したりとか。
いつでも最寄りの駅で降りてトイレに行ける状況だと、不安から解放され、それだけでお腹が痛くなることもありません。
仕事でのプレゼンが苦痛な人は、上司に相談して他の仕事に回してもらうとか。。。
逃げていいんです‼︎
この病気に限らないのですが、心因性の病気は薬だけに頼っても、なかなか完治は難しいかも知れません。
やはり不安の原因となっているものを取り除くことが一番です。
私の場合、その会社を辞めたら、半年もしない内に治りました。
おかげさまで、今は超元気じゃけん(なんで急に広島弁になる?)
過敏性腸症候群にかかっていながら、「たかが下痢(便秘)程度で」とか、「下痢(便秘)しやすい体質なだけ」などと軽く考えて受診せず、市販の下痢止め(便秘薬)でしのぎながら、相変わらず急行列車やプレゼンの恐怖と闘い続けていると、不安と緊張が増強し、やがてうつや不安障害を併発する可能性があります。
消化器内科を受診しても異常が見つからず、しかし確かにこのような症状で強いストレスを感じているのなら、是非、心療内科か精神科を受診して下さい。
そこでは、貴方のストレスや不安の程度を測るテストが行われるかもしれません。
テストと言っても、アンケートに答えるようなもので、何の苦痛もありませんし、身構える必要もありません。
質問事項に対して率直に答えれば、かなり精度高く、貴方の精神状態を数値化してくれます。
私も何度か受けましたが、確かに症状が良くなってくると、このテストの数値も下がってくるのです。
症状の程度に応じて、不安を和らげるための精神安定剤や、時には抗うつ剤が処方されるかもしれません。
薬はお医者さまの言う通りに服用して下さい。
その上で、症状をうまくコントロールしながら、原因となっている生活環境や職場環境の改善を試みて下さい。
いいですか? 絶対にこの手の病気に立ち向かってはダメですよ!!
今回も最後までお読み頂き、ありがとう御座います。
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