Dr.やまけんの【いつまでも健康に過ごすために大切なこと】

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044【「俺は飲まないので大丈夫」な~んて思ってません? ねぇ、そこの貴方!】肥満の人は要注意! 肝炎、肝硬変から肝細胞がんへ!「NASH(ナッシュ)」

目次:

    誰も知らなかった!? 飲まなくっても肝炎になる!

    とっても怖い!「異所性脂肪」

    今回の断言:それはもう「悪」そのものです!!

    デブキャラの芸人さんたちはプロ!

    最後に、肥満の方には厳しいことを言いましたが。。。

 

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私、大好きでした。90年代後半のアメリカの刑事ドラマ「刑事ナッシュ」(NASH BRIDGES)。

今は亡き野沢那智さんと青野武さんの掛け合い、もう最高!(笑)もはや芸術の域です😲

そんでもって、個性的な出演者たちの、とてもデカとは思えないファッション(そんなド派手な服で尾行すんなっ、つうの)と、会話がこれまた最高にオシャレ!!

でも、このシリーズ、日本では受けが悪かったのか、どこのツ○ヤさんにも置いてないんですね~。私やカミさんみたいなヘビーな愛好家がおるっちゅうのに。。。

カミさんは「なんでやッ!?」て怒ってました。

「置いてるとこ探して来い!」って、んな無体な(泣)

でも、最近CSNASH観ることができたので、やっとお怒りを鎮めてくれました(笑)

 

今回はNASHについて語ります。

 

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過去ブログで、具体的な病気としては、ガンと糖尿病を取り上げて来ましたが、別の病気のお話もしましょう。

 

    誰も知らなかった!? 飲まなくっても肝炎になる!

 

1970年代後半に、アルコールの多飲歴が無いにも関わらず、アルコール性肝障害によく似た「非アルコール性脂肪性肝疾患」(non-alcoholic fatty liver disease ; NAFLD)の存在が認められました。

さらにその中から、アルコール性肝炎に似た病態に進展する例のあることも見出されました。

1980年に、アメリカのLudwigらは、これを「非アルコール性脂肪性肝炎」(non-alcoholic steatohepatitis ; NASH)と名付けました。

 

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NASHの肝臓組織の所見 

 

当時、アルコール性肝障害と違って、NAFLDは深刻な病態につながるとは考えられておらず、結構、軽く見られていました。

ところがギッチョン、その後、NAFLDの約2割が10年間のうちにNASHを経て肝硬変になり、更にその一部が肝細胞がんに移行することが分かったじゃあ~りませんか!!(チャーリー浜調)

でも、この重大な事実に気づいていたのはごく一部の人だけで、NAFLDNASHは、「肥満人口の急増」を背景に突如出現した病気であるがために、新しい疾患概念として広く認識されるようになるまでには、なな、なんと20年近くもかかったのです。

 

肝硬変とは。

肝臓組織が肝炎ウイルスや長期の多量飲酒などによってダメージを受けると、これを再生・修復しようと肝細胞が頑張ります。

頑張りすぎて逆効果! コラーゲン繊維を作りすぎた結果、組織が線維化を起こして硬くなります。

線維化した肝組織は機能せず、元には戻りません。

 

わが国のNASHの患者数は、100万~300万人と推定されていますが、この数字にはずい分と幅がありますよねぇ。

つまり、正確には把握できていないということですな。

実は、もっと多いかもしれません。

これはエライこっちゃと、日本肝臓学会は、「NASHNAFLDガイド2010」を発表し、肝がん対策におけるNAFLD及びNASHのケアの重要性を訴えました。

 

    とっても怖い!「異所性脂肪」

 

NASH発症のメカニズムについては、よく解っていませんが、「ツーヒット理論」(two hit theory)ちゅうもんが提唱されています。

 

私、この理論の説明、読んでもよう解らんのですが(何で2つのヒットに明確に分けなあかんのかが解らん!)、一応書いておくと、糖尿病、肥満、高脂血症などのインスリン抵抗性(インスリンは出てはいるのだが、効き目が悪い状態)によって異所性脂肪(皮下脂肪、内臓脂肪とは異なる第3の脂肪)が肝臓に蓄積し、脂肪肝となる(どうやら、これが第一のヒットらしいわ)。

ほんでから、炎症性サイトカイン、脂質過酸化/鉄酸化などの酸化ストレスが加わってNASHを引き起こす(これが第二のヒットやてか?)、というものです。

解ります?

 

脂肪肝から肝炎という「段階」を経るというのは解りますが、多段階的な遺伝子変異が必須なガンなんかと違い、原因となる酸化ストレスやインスリン抵抗性やらを明確に2段階に分けられるとは思えへんのですがねぇ~。

こういった慢性疾患の原因と言うのは、多くの要因が複合的に絡み合っているものですが。。。

まっ、えっか!

 

そんな小難しい説明ではなく、簡単に言えば、NAFLDを引き起こすひとつの重要な原因は「慢性炎症」であり、更には「肥満」が、その「慢性炎症」を引き起こす重要なリスクファクターであるということ。

どうです? 分かりやすいでしょ?

 

脂肪の主な貯蔵場所は脂肪細胞からなる脂肪組織ですが、肥満においては、しばしば脂肪組織以外の組織への脂肪の蓄積が見られます。

これがメチャンコ危険な「異所性脂肪」であり、それが肝臓に蓄積した結果がNAFLDであると言えます。

NAFLDは、肥満の他、2型糖尿病を併発することが多く、とっても危険なのです。

 

    今回の断言:それはもう「悪」そのものです!!

 

脂肪を蓄積させた脂肪細胞はロクなことを致しません。

003【健康に過ごすための”正しい食事7ヶ条”その1 】 - Dr.やまけんの【いつまでも健康に過ごすために大切なこと】

022【慢性炎症】「ほとんどすべての病気に共通した本当の原因とは?」 - Dr.やまけんの【いつまでも健康に過ごすために大切なこと】

 

脂肪細胞が分泌するアディポサイトカインのひとつ「レプチン」は、正常な状態では食欲を抑え、インスリン感受性を高める働きを持つため、肥満や糖尿病の特効薬になるのではないかと期待された時期がありました。(1990年代後半のことだったと思います。記憶が確かなら。。。)

ところがギッチョンチョン、肥満ではこのレプチンの分泌が低下しているだけでなく、何の恨みをかったのか、視床下部におけるレプチンの感受性までが妨げられているようなのです。つまり、レプチンがあっても効かない!と言うことです。

これでは、レプチンを薬として投与する意味がありません。

この「レプチン抵抗性」(レプチンが効かない状態)のために、NASH患者では肝臓の線維化(肝硬変)が促進されるとの論文があります。

そして、肝硬変の行きつく先は? 肝細胞がんです。

 

NASHに対する決定的な治療薬は、残念ながらまだありません。

薬がないから絶望的かと言うとそうではありません。

国と糖尿病学会が「既存の糖尿病治療薬よりも生活習慣の改善の方が有効」と認めたように、まずはNAFLDNASHにならないように、なってからでも、病状の進行を防ぐために、生活習慣を見直すことが重要です。

031【ついに国と糖尿病学会が認めた!「糖尿病治療薬は役に立たない!!」】糖尿病(その2) - Dr.やまけんの【いつまでも健康に過ごすために大切なこと】

 

そこで断言します!(今回の断言!)

肥満はあらゆる病気をもたらす病気の中の病気です!

単なる栄養過多の状態では決して御座いません!!

 

何っ!?

肥満で、大飯食らいで、甘いもん好きで、運動嫌いで、大酒飲みやって!?

断言しよう!!(今回の断言2回目!)

それはもう「悪」そのものです!!  暗黒面に堕ちたも同じ!!

アナキンと罵られようが、ダミアン(古っ!)と唾棄されようが、弁解の余地なし!!

(おォッ!奇しくも今日6月6日はダミアンのお誕生日じゃあ~りませんか❤ Happy Birthday, Damian🎶  666 あんなにちっちゃかったけど、いくつになったのかな? キリストはやっつけることができたのかな?(冗談ですよ))

 

    デブキャラの芸人さんたちはプロ!

 

デブキャラの芸人さん達。

彼らは、自らの命を縮めてまでも芸の道を究めんとする求道者です。

でも私たちは、彼らと違って、デブで飯食ってる訳じゃありません。

(実際には、飯食ってデブになっている訳ですが。。。順序逆にすると全然意味違います)(笑)

 

メタボリックシンドロームの予防のためには、過食を控え、適度な運動による肥満防止が何より重要なのです!!

それと、腸内環境を整え、「デブ菌」をのさばらせないことです。それにはやっぱり、食事と運動ですよ~。

 

    最後に

 

今回、肥満の方には厳しい言葉となってしまいましたが、健康寿命の延長と医療費の削減を実現するには、まずは肥満防止からです。

隠れた病気の原因を見つけて予防に努めるのは難しいですが、「万病の元」肥満は誰の目にも見えますから。

隠れ肥満」(痩せの2型糖尿病とか)ってのもあって、これはこれで問題なのですが、まずは見えているところには手を打ちましょう

これが今回、私が申し上げたかったことだとご理解頂ければ幸いです。

 

 

今回も最後までお読み頂き、ありがとう御座います。

 

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