読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Dr.やまけんの【いつまでも健康に過ごすために大切なこと】

食事 運動 休息 免疫系 神経系 内分泌系 腸内細菌

028【免疫系のアクセルとブレーキと舵】「アレルギー性疾患から考える」

目次:

① 寄生虫感染とアレルギー性疾患の関係

② 寄生虫感染がなくなり、失業したIgE抗体が暴走!?

③ 免疫系のアクセルとブレーキと舵

④ 結局「清潔はビョーキだ」ということ

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆彡

 

① 寄生虫感染とアレルギー性疾患の関係

 

本ブログ010で、子供のころの清潔な環境がアレルギーの原因だと言いました。

私たちの免疫を健全に育てるためには、菌と毒素が必要だと。

010【清潔はビョーキだ!!(その2)】We need 菌 and 毒 - Dr.やまけんの【いつまでも健康に過ごすために大切なこと】

 

言い忘れていましたが、もう一つ必要なものがあります。

寄生虫です。

 

下のグラフを見て下さい。

戦後の衛生環境の劇的な改善により、寄生虫感染は激減。19070年代前半には、ほぼなくなりました。

私が小学生のころ(’70年台前半)は、まだシールを肛門にペタッと張り付ける虫卵検査をやっていましたねぇ。

 

そして、寄生虫感染の減少を喜ぶかのように、各種アレルギー性疾患が激増していったのです。

 

f:id:takyamamoto:20170504115250p:plain

 

アレルギー性疾患発症のメカニズムはというと、花粉やハウスダスト、ダニなど、本来は無害であり、反応していけないものにIgE(アイジーイー)というタイプの抗体ができることです。

 

「抗体」というと、病原体と戦うイメージをお持ちの人も多いと思いますが、病原体と戦うのは「IgG(アイジージー)」というタイプの抗体です。

無害なものに対して、間違ったタイプの抗体を作ってしまうこと、これがアレルギー性疾患の原因です。

 

② 寄生虫感染がなくなり、失業したIgE抗体が暴走!?

 

従来、IgEは寄生虫感染に対する生体防御にかかわる抗体です。

ところが、寄生虫がいなくなり、IgEは仕事がなくなってしまいました。

「何かやることはないのか?」「なんかやんなくっちゃ」と、IgE抗体を作るB細胞が、花粉やハウスダストなど、従来反応すべきではない抗原に対するIgEを作るような、余計なことをするようになったというわけです。

 

そこで、虫のいない環境でB細胞の暴走をストップさせるのがTregの役目です。

 

f:id:takyamamoto:20170504115436p:plain

 

Tregは、ヘルパーT細胞がB細胞にIgE抗体産生の指令を出すのにストップをかけます。

これがうまく働かないと、特定のアレルゲンに対するアレルギーになるのだと考えられますが、このあたりのことは、まだよく分かっていません。

 

Trgは免疫系のブレーキ役ですが、【020】の最後で、免疫系にはアクセル役もあると言いました。

020【免疫力の本来のパワー(その2)】「AIDSが明らかにした免疫系の“アキレス腱”ヘルパーT細胞!」 - Dr.やまけんの【いつまでも健康に過ごすために大切なこと】

 

③ アクセルとブレーキと舵

 

ヘルパーT細胞には1型、2型、そして17型というのがあり、17型ヘルパーT細胞がアクセルの役目を果たします。

攻撃か撤退か? 総攻撃で短期決戦か、それとも長期の持久戦か?

それをアクセル役の17型ヘルパーTブレーキ役のTregのペダルの踏み加減で調整しています。

 

1型と2型の役割はというと、ざっくりな区分けですが、1型は細胞性免疫(キラーT細胞)を活性化し、2型は液性免疫(抗体)を活性化するという具合です。

ヘルパーT細胞は、敵の情報を受け取って、どのように戦うかを判断しています。

細胞性免疫で戦うか、抗体で戦うか、あるいはその両方を適切な割合で動員して戦うか、です。

 

f:id:takyamamoto:20170504120645p:plain

 

つまりまとめて言うと、1型と2型のヘルパーT細胞で舵を取り、17型ヘルパーT細胞とTregで進むのか止まるのかを操作しているのです。

つまり、アレルギー性疾患の場合、2型T細胞(液性免疫)の方向に舵が切られ、アクセルである17型T細胞が優勢になっており、IgE抗体が活発に産生されている状態と説明されます。

 

実際の免疫系は、これほど単純ではありませんが、このように乗り物のようにイメージすると理解しやすいと思います。

 

この左右の舵取りとアクセルとブレーキによる前進後退の制御が、現代人では狂わされています。

その大きな原因が、「菌と毒と虫」の欠如です。

 

④ 結局「清潔はビョーキだ」ということ

 

著書多数でテレビにも多く出演されて高名な、東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎先生。

ご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、この方、自身の健康維持と寄生虫が人間の体にもたらす健康増進効果について自ら実証するため、わざとサナダ虫に感染して、「サトミちゃん」と名付けて、数年間、お腹の中で飼っていたそうです。

 

そこまでやれとは言いませんが、猫が糞尿をした砂場で子供を遊ばせるくらい、家にゴキブリの1匹や2匹出るくらいで騒いではいけません。

 

昔は「美人のお腹には虫がいる」と言われましたが、これは本当かもしれません。

藤田先生によると、寄生虫感染が肌の若々しさを保っているそうです。

女性の皆さん、是非参考になさって下さい。

 

あっ、「清潔はビョーキだ」というセリフは、藤田先生からのパクリです(笑)

 

 

今回も最後までお読み頂き、ありがとう御座います。

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆彡

 

是非、お読みになったご感想やご意見、ご批判をコメントでお寄せ下さい。

大変励みになります。