「腹八分目に病なし」と昔の人も言いましたが、これって本当なんでしょうか?
昔の人も、めいっぱい食べてる人と、そうでない人の健康状態の違いを観察したりしたのでしょうか?
この疑問に答えるべく、1988年にこんなデータが発表されています。
マウスで、
①食事制限なし、つまり好きなだけ食べさせる、
②生まれてから死ぬまで一生食事制限、
③最初の1年間自由摂取、その後食事制限、
④最初の1年食事制限、その後自由摂取、
で、寿命がどう変わるのかをみた実験です。
結果は下図の通り。
マウスの寿命はおよそ2年(24ヶ月)です。
①自由に食べさせると長生きして24ヶ月を超えるくらいです。
②一生食事制限すると少し寿命が延びました。
③若い時、つまり最初の1年間を自由に食べて、その後制限すると、さらに寿命が延びました。
④その逆、つまり、若い間に制限して、その後好きに食べると、さらに延び、35か月を超えるものもいました。
この順番は、ラットでもハムスターでも同じだったそうです。
どうやら食事制限と寿命には関係がありそうです。
好きなだけ食べていると早死にする。
かといって、一生節制してもそれほど大きな効果はない。
戦中・戦後の世代の方を除けば、私たち大人のほとんどが、若い時に不摂生し、おなかが出たり、血糖値や血圧が気になりだしてから、あわてて節制を始めるのではないでしょうか?
このマウスの結果からすると、若いころの不摂生を後悔している人も、今からでも初めて遅くはないようですね?
そこの貴方、あきらめずに頑張りましょう。
ところで、この実験結果からすると、子どものときに節制していれば、大人になってから無茶しても、一番長生きできることになります。
それって、良くないですか!?
このデータを見て、「若い時、我慢しとくんだった、、、」と私も地団駄踏みました(笑)。
でも、この結果が人間にも当てはまるのかどうかは分かりません。
だって、こんな実験、人間では出来っこありませんから!
ところが2009年、人に近い霊長類であるアカゲザルで、20年もの長期にわたる実験の結果が、米国の名門大学・ウイスコンシン大から発表されました。
それも世界的に権威のある科学雑誌「サイエンス」にです。
果たしてこの論文は、人類の長年の疑問に明確な回答を与えたのでしょうか?
このサルでの実験の結果は次回お話しします。
最後までお読み下さり、ありがとう御座います。